台風が来る!
となれば、
いつ、どこを通るのか!?
ということが知りたくて、
天気予報などで、台風の動きを見ますよねっ。
そして、
「よかった、結構遠いわ~」と、安堵したり
「うわっ、台風の通り道だっ!」と、思ったり、
「あぁ、せっかくの日曜日が・・・」と、がっかりしたり。
台風って平均すると、
1年に26個の台風が発生し、
そのうち3個が日本に上陸しているんですけど、
その進路は、当然、同じにはなりません。
その進路は、
「風の影響がー」とか、
「太平洋高気圧がー」とか、
とよく言われているけれど、
いまいち意味がわからなかったりも。
そもそも、気象庁では、
この「台風の進路」を予想しているけれども、
どうやって決められているのかもいまいちわからかったり。
台風の進路を予想する方法を簡単にいうと、
その時点で予想される
大気の状態と風の状態
から進路を予想する
ということになります。
その大気や風の状態を、細かく見ていくことにします。
大気の影響
まず、地球という大きなくくりの中で、
北半球であれば、赤道にたまった熱を、
北極方向に逃がそうとする空気の循環があります。
この空気の循環システムを、緯度の違いによって、
- ハドレー循環(低緯度)
- フェレル循環(中緯度)
- 極循環(高緯度)
と呼ばれています。
つまり、
空気は赤道から
ハドレー循環→フェレル循環→極循環と
それぞれの空気の循環システムを経由して、
北へ北へ流れていきます。
台風は、この空気の流れにのっかるため、
基本的には、北へ向かって動く。
これが台風の基本進路となるわけです。
風の影響
台風は「風」の影響も受けます。
その風とは、
貿易風と偏西風と呼ばれているものです。
貿易風と偏西風は
空気の循環システムが地球の自転に影響され、
発生するメカニズム。
貿易風はハドレー循環の一環として発生し、
赤道に近い熱帯地方で、
東から西に向けて吹く風のこと。
偏西風はフェレル循環の一環として発生し、
中国大陸の方から日本に向けてといった、
西から東に向けて吹く風こと。
台風は、こういった強い風にも影響されてしまうので、
発生した時には、貿易風の影響によって西の方向へ移動。
北上するにしたがって、偏西風の影響によって、
東の方向へ移動することになります。
台風の進路が弧を描くのは、
こういった風の影響によるものだった、
ということなんです。
気圧の影響
台風の動きを見ていると、
中国大陸を通って北上していったり、
急カーブして日本の下の方を通り過ぎたり。
動きに、法則性が当てはまってない、
そんな気がしますよね。
なぜ、こんな動きをしてしまうのか。
それは、
もう一つ台風の動きに影響を与えるものがあるからです。
それが「気圧」。
台風は結局のところ低気圧なわけです。
高気圧の空気は、低気圧に向かって流れていくので、
台風は高気圧の空気に押されてしまうわけです。
そのため、
台風は高気圧を避けるようにして、移動するんです。
このため、高気圧の配置状況によって、
台風は、より複雑な動きを見せるわけです。
まとめ
基本的な台風の動きを整理すると、
・赤道の近くでは、貿易風(東からの風)で、西へ流される
・北の方にくると、偏西風(西からの風)で、東に流される
・高気圧を避けて(高気圧に押されて)通る
ということです。
台風の進路予想は、
こういった空気の動きや風の動きなどの
いろんな要素を組み合わせて、作られていきます。
昔は天気図を使いながら、
「今の状況はこうで、ここはこうだから、
台風の動きはこうなるはず!」
などと、
いちいち考えて導き出していたわけですが、
刻一刻と状況がかわるため、精度は低かったんです。
でも今は、気圧の配置や風の流れなどの観測データを、
スーパーコンピュータに入力して、
さくっと台風の動きを割り出してしまいます。
今の精度は70%になってます。
ちなみに、台風の進路予想図(下図)では、
平均風速が15m/s以上の強風域を黄色の円で、
同じく25m/s以上の暴風域を赤色の円で、
12、24時間後といった時間経過による到達予想範囲を、
点線円で表示しています。
この点線の円は、台風の大きさを表しているわけではなく、
この円の中のどこかに、台風の中心が来る
という意味合いですので、あしからず。
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