姫路駅前広場活用から考える行政と団体の問題点

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再開発によって整備される姫路駅前広場の活用を
市民に委ねるという方策を打ち出した姫路市。

現在ではこのようなことが普通になってきています。

つまり、
ハード面の整備を行政が行い、
その場の活用を民間が企画し実行するということです。

姫路駅前広場は約1万6000平方メートルの面積があり
国内最大級トランジットモールとなります。
地下街や駅ビルなどと相まって
どういった展開がなされるかなど注目を浴びています。

ちなみに、トランジットモールとは、
歩行者空間に公共交通機関の運行が許可された空間のことです。

 

「市民に委ねる」という言葉の裏の意味

これは一見市民への開放と見ることはできますが、
逆に考えると、
行政では広場の有効な活用はできないとも考えることはできます。

これが悪いことはありませんが、
「行政は皆さんのご期待に添える企画ができないのであと頼みます」
ということを自ら言っているだけですね。

もう少し言えば、
企画が失敗しても行政は責任とらない
ということでもあるわけです。

実際のところ、企画力のなさもさることながら、
予算(お金)がないこともあり、
行政で行うことはできません(やってられません)
ということなんですよね。

言い方を変えて、「市民主体」とし、
行政ができないということを隠しているわけです。

 

行政に近いと行政っぽくなる

この広場の活用については、
基本的にNPOがイベントの企画をしていくものと考えられますが、

気をつけなければならないのは
行政の代わりを務めるに法人や団体は、
なぜか行政っぽくなってしまいがちです。

考え方や企画が行政よりになってしまうということです。

環境によって人格が変わるように、
環境によって組織も変わるということです。

自分たちは行政の代わりで動いているという考え方であれば、
それはもう行政組織として動いていることでしかありません。

たとえそういう意識がなかったとしても、
その代替作業を行ってしまうと意識や考え方が行政よりになってしまいます。

なぜなら、
その行動の参考にしてしまうのが「行政」だからです。

 

ニーズを捉えることは行政にはできない。

一連の事業の流れを考えると、
ニーズを捉え、それに対応した予算を確保し、
事業を企画し、実行、そして検証をする。

大体2〜3年単位でこういったことが進められていくわけですが、
これを一人の職員がやることはまずありません。

となると、
担当の職員が代わることで
次の担当職員がその事業を理解するまで時間がかかり、
事業の進行が停滞してしまいます。

また
その事業に対する情熱というものも全く違います。

最初から作り上げた職員と
途中からその事業に関わった職員では、
やはりやる気や情熱が全く違うというわけです。

つまり、
事業が成熟したあとであればまだしも、
成熟する前にどんどん担当者がかわっていくので、
その事業の効果を発揮しきれないということになります。

 
 
せっかく民間に委ねられたにもかかわらず、
結局運営しているところが違うだけで、
中身が変わらないとう状態になりかねません。

 
市民活動もそうですが、

行政の代わりという意識ではなく、
また、行政の悪いところを真似するのではなく、

きちんとニーズを捉えたうえで、
企画を練り、事業を展開していって欲しいと思います。


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